紫式部と田原本町


平安時代の貴族で、紫式部の夫の藤原宣孝が、現在の奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡史跡公園付近にあった荘園の領主だったことは、唐古・鍵考古学ミュージアムで初めて知りました。
市町村にある小さな博物館には思いがけない情報が待ちうけているときがあって、訪問先ではなるべく立ち寄るようにしているのですが、今回もなかなか楽しめました。

このミュージアムは実は史跡公園に隣接しておらず、2kmも離れていることに訪問直前に知って愕然。
唐古・鍵考古学ミュージアムが入っている田原本青垣生涯学習センターへは、近鉄・田原本駅から東へ徒歩約20分。
センターは、ミュージアムのほか、公民館、図書館、多目的ホールもある複合施設で、なかなか立派な建物です。
訪問したこの日はイベントでもあるらしく賑わっていましたが、ミュージアムはほぼワタクシだけの貸し切り状態でした。



201902097422A.jpg








201902097425A.jpg

史跡公園にある楼閣はこの線刻絵を元に復元。





ヒスイの勾玉
201902097424A.jpg








「う~~」
201902097423A.jpg
出土した人物像は、何をしているのでしょうか。う~~








201902097427A.jpg
奈良時代までの展示で終わるのではなく、それ以降の時代にも目を向けているのがいい。



ここのミュージアムは少々狭いので、展示されているのは出土品のごく一部でしょう。
それでも見応えがありました。
そういえば、京都大学総合博物館でも唐古・鍵遺跡の出土品が常設展示されているのを思い出しました。





ミュージアムをあとにして、史跡公園へ移動。


二上山といっしょに
201902097540A.jpg








201902097556A.jpg


周囲を見渡すと、生駒山、二上山、葛城山、金剛山、三輪山、龍王山などが目に入ります。
“たたなづく青垣山ごもれる” を実感します。


史跡公園の近くには、道の駅 「レスティ唐古・鍵」 があります。
田原本町の味間地区で採れる大和野菜 「味間いも」 があったので、買いました。
以前、試しに買って帰ったら好評だったので、最近の奈良土産はこれが多い。

「レスティ唐古・鍵」の建物の中には、一日駅長のタスキをかけたゆるキャラの写真が展示されていました。
(このゆるキャラは田原本町出身で、吉本新喜劇の新座長の記事 →


「タワラモトン」
201902097570A.jpg
本来の田原本町のキャラクター。
「ほぐほぐまつり」 に来てましたね。







この標識は萌えるなあ
201902097571A.jpg
( 「レスティ唐古・鍵」 の近くで)







≪余談≫

 唐古・鍵考古学ミュージアムへ向かう前に、近鉄・結崎駅近くの店 「美ノ吉」 で結崎ネブカがたっぷり乗ったうどんを頂きました。
 結崎ネブカはネギですが大和野菜で、普通のネギにありがちな臭味や辛味がほどんどなく、むしろ旨味や甘味があってとてもおいしいのですよ。
 この店ではネブカの収穫時期に合わせて、9月から翌年2月までの期間限定で結崎ネブカうどんを頂けます。


201902097414A.jpg







唐古・鍵考古学ミュージアム



ハイキング立ち寄り大明神 (47)



二月堂修二会で毎夜読み上げられる “神名帳” の神様のうち、ハイキングなどで立ち寄った神社のご紹介。

続きです。



● 池坐朝霧黄幡比売神社 (奈良県田原本町法貴寺)

   神名帳では、池咩大明神 [いけひめノだいみょうじん] (85) ←神名帳で読み上げられる順番


  池坐朝霧黄幡比売 [いけにいます あさぎり きはたひめ] 神社と読みます。
  通称、池神社。
  渡来人の秦氏ゆかりの神社で、機織りの女神が祀られています。
  祭神は、天万栲幡千千比売 [あめのよろづ たく はた ちぢひめ] と菅原道真。

  境内にある由緒書によると、
  祭神の栲幡千千比売命は機織り(幡)の神で、
  推古帝二十四年(615)に聖徳太子草創の法貴寺伽藍を賜った秦氏がその祖神守り神として崇敬した古社である、
  また法貴寺記録によれば、天慶九年(946)九月十九日に北野天満宮より菅原道真公を勧請し相殿した由が見える、
  古来、法貴寺天神又は天満宮として遍く知られており、法貴寺(長谷川氏の氏寺)の鎮守神として信仰を集めていた、
  とのこと。

  (注)栲幡千千比売命は、ニニギの命のお母さんでもある。
     「栲」はコウゾなどの木の皮の繊維で織った布のこと。
     長谷川氏はこのあたり本拠とした在地豪族。長谷川は大和川の別名だった初瀬川のこと。





201902097504A.jpg
村屋坐弥冨都比売神社から大和川沿いに歩いて約30分。







201902097505A.jpg








法貴寺天神とも
201902097510A.jpg

社殿は西に向いています。







201902097509A.jpg








201902097520A.jpg








天神と言えば梅
201902097513A.jpg








境内には天満宮と法貴寺が彫られた石灯籠
201902097534A.jpg

灯篭の向こうにはかつての法貴寺の鐘楼と山門、もっと向こうには法貴寺千万院(薬師堂)が見える。






≪余談1≫

 地名に残る法貴寺は法隆寺よりも前に聖徳太子により創建され、秦河勝に賜ったもので、当初は法起寺と命名されたとのこと。
 江戸初期には13院も有する大寺院だったようですが、その後衰退して明治の廃仏毀釈で千万院だけとなり、
 現在は千万院の僧坊もなく、かろうじてその薬師堂、山門、鐘楼が神社の北側に残されています。




法貴寺千万院(薬師堂)
201902097527A.jpg

もちろん当初の建物ではありません。
堂内に安置されている数体の仏像は、格子戸越しに外から拝めることができます。
平安時代に作られた不動明王像は国重要文化財に指定されています。




201902097524A.jpg






池坐朝霧黄幡比売神社








≪余談2≫

 田原本町の各所にある古跡説明板は他所とは違ってとても詳しく解説してあって、歴史散策の楽しみが増します。
 前回の記事で紹介した村屋坐弥冨都比売神社の近くにある岐多志太[きたした]神社にも、興味深い内容の説明がありました。


岐多志太神社
201902097437A.jpg
右奥は三輪山







201902097436A.jpg


 ・同じ田原本町にある鏡作坐天照御魂神社と同じ祭神(鋳物・金属加工の神)が祀られていること
 ・「岐多志太」は「鍛冶師田」の万葉仮名文字の表記ではないか
 ・このあたり(大字大木)には「カヂヤカイト」、「カンヂヤウ」の小字名があり、鍛冶師に係わる地名か
 ・祭神は芸能の神でもあり、このあたりに「フエフキ」、「ツツミウチ」、「ヒョシダ」の小字名もあり、雅楽に関連する地か




 カヂヤカイトは「鍛冶屋垣内」でしょうか。
 「字」の名前は昔の記憶を留めている場合があるので、このまま無くさないで欲しいですね。



ハイキング立ち寄り大明神 (46)



二月堂修二会で毎夜読み上げられる “神名帳” の神様のうち、ハイキングなどで立ち寄った神社のご紹介。

続きです。



● 村屋坐弥冨都比売神社 (奈良県田原本町蔵堂)

   神名帳では、杜屋大明神 [もりやノだいみょうじん] (92) ←神名帳で読み上げられる順番


  村屋坐弥冨都比売 [むらやにいます みふつひめ] 神社 (通称、村屋神社) の主祭神は、
  三穂津姫[みほつひめ] (弥冨都比売)で、一緒に祀られている大物主とは夫婦の間柄だそうです。
  大物主といえばここから5kmほど南東にある大神神社の祭神なので、
  その奥さんを祀る村屋神社は大神神社の別宮とされているそうです。
  神名帳にある 「杜屋」 は、村屋の別表記です。
  『日本書紀』 に、壬申の乱で村屋神の神託によって大海人軍が神社の近くの中ツ道で近江軍を破った話があるので、
  創建はもっと前になりますね。


  神社のホームページ →




201902097451A.jpg








201902097472A.jpg








201902097459A.jpg








201902097483A.jpg








201902097461A.jpg







村屋神社 (摂社)
201902097464A.jpg








物部守屋を祀る物部神社 (摂社)
201902097470A.jpg








久須々美神社 (摂社)
201902097475A.jpg
祭神は鍛冶神。
このあたりには鏡作神社など鍛冶に係る神を祀る神社が多く、鍛冶職人が多くいたことが分かる。








村屋神社の東側を流れる大和川から見た龍王山と三輪山
201902097487A.jpg
川にゴミがたくさん浮いているのが玉にキズ。








20190210_000211A.jpg



  ご朱印には当日ではないにもかかわらず、2月11日に行われる「御田植祭」を書いていただきました。
  とてもありがたいことでしたが、三穂津姫が持つ稲穂がかすれているのが少し残念。
  お尋ねすると、宮司家の名字が守屋なのは物部守屋の子孫だからと伝わっているが、
  本当かどうかは分からないとのことでした。





村屋坐弥冨都比売神社





検索フォーム
プロフィール

なむさいじょう

Author:なむさいじょう



阪神エリア在住のおっさん。
時間を見つけては奈良めぐり。

※2013年までの過去記事は本サイトへインポート後、一部を除いてリンクの更新等を行なっておりませんので見苦しい部分があります。ご了承ください。
※過去記事へのコメントも歓迎。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
カレンダー
01 | 2019/02 | 03
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 - -