水島太郎氏の作品を見に行ってきた


二月堂修二会で童子をつとめている彫刻家、水島太郎さんの作品を見に行ってきました。

気持ちの良い天気なので、のんびりと自転車のペダルをこいで山手幹線を行きました。
場所は兵庫県芦屋市にあるギャラリー 「あしやシューレ」。

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開催中の作品展は、安藤榮作、長谷川浩子、水島太郎の3作家による作品展 「かんがたり~神語」。

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作品展の内容については、ギャラリーのHP () または PDF () で。


作家さんは不在でしたが、ギャラリーのオーナーさん(?) とお話させていただきました。
(修二会の二七日の間、ずっと聴聞したこともあるというコアなお水取ラーさんでした)
水島さんの作品は、東大寺法華堂の不空羂索観音立像や興福寺の阿修羅像などと同じ脱活乾漆で作られているとのこと。
仏像のように整えた表面ではなく、ざっくりとした独特の風合いの作品で、なかなかいい味が出ていると思います。


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安藤榮作さん、長谷川浩子さんご夫妻は以前は福島県いわき市が活動拠点でしたが、
東日本大震災で自宅も作品も失なわれ、その後、奈良県に移住して活動を再開されたとのことです。
その安藤さん、つい5日前の3月28日、平櫛田中 [ひらくしでんちゅう] 賞の受賞が決まったとのことです。
おめでとうございます。




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※芦屋川で桜まつりが開かれていましたが、川沿いの桜並木はあまり咲いていませんでした。
 せっかくなので、ダニエルで 「カヌレ」 を買って帰りました。

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修二会聴聞記(2017年3月12日)



3月12日は籠松明が上がり、深夜にはお水取りがある日。
松明が終わった後、二月堂内での聴聞は、講関係者など東大寺から特別に許可された人だけが可能で、
それ以外の人は局も含めて堂内に入れない日です。


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とういことで、一般人のワタクシは堂外で関連ネタ集め。



〔提灯〕
  この日だけ講の提灯が二月堂周辺の各所に掲げられますが、
  “御正躰”の提灯が、興成社に掛けられることは今回初めて知りました。

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〔かふぇ de くゎんのん〕
  年に3日間だけ(3月12日~14日)、北の茶所に出現。

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  メニューは昨年と同じ。
  今回もメニュー全品制覇を目指したのですが。。。
  練行衆が下堂したあとで楽しみにしていた甘酒が、ソールドアウトで頂けませんでした。残念。
  甘酒以外は制覇。



〔過去帳(青衣の女人)〕
  西の局の扉が開いていたので、局の後ろで立ち聞きできました。
  ただ、もうすぐ “青衣の女人” が登場するのを予告する “将軍頼朝の右大将” が読み上げられた直後のことですが、
  局で座っていた人が退出しようとして、荷物のビニール袋を扱ってガサガサと音を立てていたので、
  騒音で聞こえないのではと周囲の人はヒヤヒヤだったでしょうね。
  そうそう、寒さ対策のためかニット帽をかぶっている人がけっこういました。脱帽願います。

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〔咒師作法〕
  お堂の外にいても、四天王勧請が朗々と聞こえて来ましたよ。



〔お水取り行事の不思議〕
  周辺の照明が消されて、松明と満月の明かりで幻想的な雰囲気に。
  ライブ奏楽によって厳粛さが増します。

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  一行は閼伽井屋へ向かう前に、途中の興成社を参拝します。

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  ところが、咒師らは興成社に向かず、体をやや左に振っているように見えます。
  興成社ではなく、二月堂の北東側に鎮座する遠敷社を参拝しているのではないかとの説があるそうで、
  この参拝体勢はそれを暗示しているのかもしれません。
  若狭から送られた水を閼伽井屋で汲み上げるにあたって、ゆかりの遠敷社を参拝するほうが自然に思われます。



〔糊こぼし椿 (良弁椿) 〕
  修二会本行期間にある程度咲いているはずの糊こぼし椿。
  四月堂の北の縁側から開山堂の塀越しに覗くと、今年はまったく花が見えません。

四月堂で見かけた椿
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今年は開花が遅れているようです。




〔奈良国立博物館〕
  毎年の「お水取り」展では、地下で籠松明のモニュメントが飾ってありましたが、今年は無かったのがちょっと残念。

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(参考:2016年の様子)
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〔籠松明〕

役目を終えて
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「小さなお水取り展」



サブタイトルが、“お水取りを愛してやまぬ女子たちへ”。

オッサンがのこのこ出向いてよいものか逡巡するも
1年前に似たような状況を乗り越えたこともあって、
えいままよと会場の 「カフェハルヒノ」 さんへ。


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3人の作家さんはどの方もお水取り歴ン十年という大ベテラン。
作品ひとつひとつに、どれだけお水取りにはまり込んでいるかがにじみ出ていますね。


見て思わずほっこりする作品の一部をご紹介。


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青衣の女人
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回り灯篭が動いている様子はこちら(YouTube) →








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≪余談≫

以前に頂いた 「お水取り双六」
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これも展示されていました。
もうすぐ 「あがり」 (満行) ですね。



なお、今回の展示は3月14日(火)までです。


※ 春日野窯 [はるひのがま] →



水取や氷の僧の沓の音




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松尾芭蕉が東大寺二月堂の修二会に訪れたのは、江戸時代の貞享二年(1685) 2月でした。
そのときに詠んだ句:


       二月堂に籠りて

     水とりや 氷の僧の 沓のおと


『野ざらし紀行』 に載っているこの句。
後年に書かれた芭蕉自筆の 『甲子吟行画巻』 にも載っていて、
「おと」 が 「音」 と漢字表記になったほかに違いは無いことから、
よく見かける 「籠りの僧」 は違うということになります。

今年2017年の修二会で和上を務める平岡昇修師のお話では、
芭蕉のこの句によって 「お水取り」 が二月堂修二会の通称となるきっかけになったようだとのことです。

なお、貞享二年の修二会では、大勧進・公慶上人が練行衆の咒師として参籠したので、
芭蕉は上人と言葉を交わしたかもしれませんね。



二月堂前の龍王之瀧にある句碑には、
「水取や 籠りの僧の 沓乃音」
と刻まれています。
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≪余談≫

※ 平岡昇修師のHP →

※ 今年2017年の修二会で大導師を務める橋村公英師のインタヴュー記事が
  JR東海 「うましうるわし奈良」 のサイトにありました。 →
  龍美堂の温かなおはぎ。まだ頂いたことがないゾ!

※ よく 「芭蕉翁」 と書かれているので、どれだけ年寄りなのかと思っていましたが、亡くなったのは50歳でした。

松尾芭蕉の墓 (義仲寺@滋賀県大津市)
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修二会の奈良太郎




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竹矢来あり、俊乗堂横に仮設トイレ(?)ありと、この時期ならでは光景。



東大寺の大鐘 “奈良太郎” は、普段は午後8時に鳴らされます。
年明けの午前0時になると、除夜の鐘が鳴らされます。
修二会の期間では、午後7時と午前1時に鳴らされます。
もう少し詳しく言うと、惣別火が始まってから15日の午前1時までこのルーティーンになるそうです。
修二会本行中では、午後7時に鳴らされるあの重低音を合図に松明が上がります。
ワタクシが好きなのは、午前1時の鐘。
二月堂内で聴くと天井板に反射するのもあってか、重低音にしびれます。
今回の聴聞でも、晨朝が始まる前に荘厳な響きが聞こえて来ました。
二月堂を取り巻く空気を揺らしているかのようです。




修二会聴聞記(2017年3月4日)



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今年2017年も、ありがたいことに二月堂修二会を聴聞できました。
3月4日の初夜から晨朝まで。
〔法華懺法〕 以外の付帯作法や別作法がなく、初夜で 「常」 の声明を聴くことができる日です。
堂内に入ると、あの油煙の匂い。たまりません。



〔初夜〕
 前日に称揚があったためか、朗々とした調子の声明で聴きごたえありました。
 こういうの好きです。
 ( 「引上」 だと、「ぼさぼさ」 なので個人的に好みでない)



〔神名帳〕
 最近、二月堂神名帳ゆかりの記事を弊ブログで取り上げていることもあって、
 これまでになく耳を澄ませて聴きました。
 阪神エリアの 「廣田の大明神」 (広田神社@西宮市) や 「生田の大明神」 (生田神社@神戸市) も
 ちゃんと聞きとれました。



〔晨朝〕
 今回は粥食呪願 [じゅくじきしゅがん] まで礼堂で聴聞できました。(そのあとに退堂指示があった)
 礼堂で堂童子さんが伸びあがるように珠数を揉みあげる姿がカッコイイ。
 内陣の和上から 「夜明けんだりや」 との問いかけに、「暗~し」 と堂童子が応えますが、
 今回、別の練行衆が 「夜明けんだりや」 と発したように聞こえましたが、気のせい?
 余談ですが、お水取り関連の解説本には、「夜明けんだりや」 に対して 「ほのぼの」 と応えることもあると
 書かれているのですが、以前伺った狹川宗玄長老様のお話では、「ほのぼの」 は一度も経験なかったそうで、
 昔は本当に夜明け頃までやっていた名残ではないかとのことでした。



〔その他〕
 ・外陣の南側で聴聞していた時、背後の南の局から寝息が聞こえた。。。
 ・咒師は上司永照師。須弥壇に向かって声は出さずに唇が動いている場面を目撃しましたが、
  あれは他に聞かせてはならない呪文を唱えているのでしょうか。
 ・時香盤がゆるゆると燃え進んでいるのを眺めていました。(笑)
 ・東大寺が発行している 『修二会の声明』 の本を持ち込んで、必死に文字を探している人がいましたが、
  あれはやめたほうがいいですね。紙をめくる音とか耳ざわりです。
  自宅で、サントリー・ホールでの修二会声明公演のCDを聴きながら、声明本を勉強してください。
 ・堂内での私語禁止にもかかわらず、初心者を連れた人がこの次はこーなって、あーなってと説明していてウンザリ。
  そろそろ注意しようかと思ったところで、時間が来たらしく出て行った。
 ・2017年の撮影規制は昨年と同じようです。 (2016年の規制状況 →
 ・練行衆が下堂したのが午前1時20分ごろ。
  そのあと静まり返った二月堂にとどまって、夜景を眺めながら余韻に浸る時間が好きだ。




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2017年3月5日 午前1時30分





My 惣別火入り




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ワタクシの場合、2月に入ると奈良町でこれを頂いて、自主的に修二会モードに入ります。
勝手に 「My 惣別火入り」 です。
ほぼ毎年、他の客がまずいない午前中にお邪魔しているのですが、
今回は夕方近くだったせいか、周りのテーブルは女性客ばかり。
肩身が狭いながらも、「My 不退の行法」 ですからやめられません。
店内に流れるジャズ・バラードを聴きながら、くつろぎました。

今年も、東京日本橋の奈良まほろば館で、時期限定で販売されるそうです。

   中西与三郎 →



≪余談≫

   英語で 「お水取り」 を説明すると・・・・
     (その1) →
     (その2) →



平成29年練行衆発表



東大寺では毎年12月16日、初代別当の良弁さんの良弁忌法要があり、
法華堂の秘仏・執金剛神立像が開扉されます。


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この日はまた、翌年の二月堂修二会に参籠する11人の練行衆が発表されます。

報道発表によると、来年平成29年 (2017年) の練行衆の配役は以下のとおり。 (敬称略)


  和上     平岡昇修
  大導師    橋村公英
  咒師     上司永照
  堂司     鷲尾隆元
  北座衆之一  上野周真
  南座衆之一  尾上徳峰
  北座衆之二  中田定慧
  南座衆之二  狹川光俊
  中灯     平岡慎紹
  権処世界   北河原公慈
  処世界    清水公仁



今回はシンニュウさんがいらっしゃいますので、3月3日はスペシャル声明が聴けますね。



2017年の修二会。
大たいまつが出る3月12日は日曜日なので、大混雑しそうですね。
聴聞日の検討開始です。



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開山堂にて
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遠敷明神



阪神エリアからだと、若狭(福井県)は北東方向。
二月堂へ行っても北東方向の感覚のままでしたが、ああ勘違い。
実際には、遠敷明神のおわす若狭はほぼ真北の方向です。


若狭彦神社(遠敷明神)




若狭と奈良は、地下水脈でつながっているという言い伝えがあります。
3月2日に若狭で「お水送り」があって、そこの鵜の瀬から送られた香水[こうずい]は、
水脈を伝って10日後に二月堂の若狭井に届くといいます。


3月13日午前2時ごろ、若狭井から香水を汲み上げる「お水取り」が執り行われます。


若狭井のある閼伽井屋
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閼伽井屋の屋根には伝説の鵜
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閼伽井屋前の提灯2丁(右上)と待機中の咒師松明
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二月堂の北東側に鎮座する遠敷社は、遠敷明神のおわす若狭から勧請されました。
練行衆は登廊を上り切ったあたりで、遠敷社に向かって
パンパンとかしわ手を打ってお参りしてから、二月堂へ入堂します。


良弁忌で開山堂から見た遠敷社(二月堂の左奥に見える鳥居)
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お水取りのかがり火



3月13日午前2時ごろ、お水取りが行われます。
その際、二月堂の南階段ではかがり火が焚かれます。




かがり火の籠を準備しているのは、講社の方でしょうか。(階段上あたりで)
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薪とともに杉の葉でしょうか、籠にセットされて準備万端。
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(薪はゴボウ、杉葉はパセリに見えたりもする)








籠は下から支えられるタイプではなく、吊り下げ型。
江戸時代に描かれた「お水取り絵巻」にも、南階段にまったく同じタイプのかがり火があって、
それを見つけてちょっと感動です。
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かがり火は階段下にもあります。
咒師松明と2ショット。
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左上には小さな明かりがいくつか見えますが、ここは楽人のオーケストラピット。








若狭井で汲まれた香水[こうずい]の入った桶が、二月堂へ向けて厳かに階段を上ります。
かがり火、活躍中。
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(燈籠の照明は消してもらえないのかな)




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プロフィール

なむさいじょう

Author:なむさいじょう



阪神エリア在住のおっさん。
時間を見つけては奈良めぐり。

※2013年までの過去記事は本サイトへインポート後、一部を除いてリンクの更新等を行なっておりませんので見苦しい部分があります。ご了承ください。
※過去記事へのコメントも歓迎。

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