信太の森



夫と子どもの3人で幸せに暮らしていたのに正体を知られてしまい、森へ戻らなくてはならなくなったのは
“ 葛の葉 ” という名の人間の女に化けていたキツネ。

伝説をもとに脚色された 『芦屋道満大内鑑』 [あしやどうまん おおうちかがみ] は通称 『葛の葉』 といって、
歌舞伎や人形浄瑠璃でよく知られているお芝居。
物語のクライマックスは、葛の葉の悲痛な子別れの場面です。



“ 恋しくは たづね来てみよ 和泉なる 信太の森の うらみ くずの葉 ”

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歌舞伎では、葛の葉は口にくわえた筆で障子に一首を書き残し、ひとり寂しく信太の森へと帰っていきます。




大阪府和泉市葛の葉町にある葛葉稲荷 [くずのは いなり] 神社は信太森 [しのだのもり] 神社とも言い、
伝説ゆかりの信太の森はこの神社周辺の台地 (信太山) の森のことだそうです。


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伝説説明板
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境内には葛があり、初めてその葉をまじまじと眺めました。
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社伝では、和銅元年(708) 旧二月初午の日、
元明天皇がこの信太の森に鎮座するウカノミタマ大神を奉って祭事を行ったといいます。



葛の葉の子・童子丸は、実は


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(@安倍文殊院)

のちの安倍晴明なのです。






さて、シノダの森は別の場所にもあるのです。
大阪府豊能郡能勢町下田尻にあり、こちらでは 「信田の森」 と書くようです。


道路脇に隠れるようにある鳥居は 「信田の森」 の入り口。
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鳥居をくぐって階段を上がると、小山の中腹の森の中に平坦な場所があって、
小さな稲荷社と、葛の葉の夫・安倍保名の供養塔がひっそりと佇んでいます。
宝篋印塔の供養塔の前には石碑があって、応和二年 (962) 3月23日に亡くなったことが刻まれています。
この地では実在の人物とされているようです。

稲荷社
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安倍保名の供養塔
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地元の言い伝え:
  安倍保名は傷の治療のため、源(多田)満仲の家来・藤原仲光を頼って、妻の葛の葉とともにこの地へやってきた。
  このあたりは古くから鉱泉が湧き出していて、湯治に適していたという。
  保名は湯治をしながらこの地で余生を送り、応和二年 (962) 3月23日、ここで72歳で亡くなった。


たしかに、近くには山空海温泉というマニア受けするような、昭和な感じのひなびた温泉場があるので、
このあたりへ湯治に来たというのもまったくの作り話とは言い切れません。


山空海温泉
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田尻川沿いにあり、屋根の赤い温泉マークが目印。



「信田の森」 の近くには、壇ノ浦の戦いから密かに脱出した安徳天皇のものと言われる墓があり (以前の記事参照)、
もしかしたら生前、ここの温泉に入っていたかも!?



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