源平ゆかりの高野山寺院 (4)



4.大圓院 [だいえんいん]

 こちらも蓮華谷にある寺院です。
 開基は、理源大師聖宝 [りげんだいし しょうぼう]。
 聖宝さんは京都の醍醐寺の開基でもあり、吉野の修験道を再興した人とも伝えられ、
 東大寺には東南院 (現在の東大寺本坊の前身) を建立して三論教学の拠点を築きました。
 東大寺やその周辺には聖宝さんの伝説がいろいろ残っています。
 
 前回の記事で紹介した清浄心院に庵を結んだ滝口入道 (斎藤時頼) は、
 その後、大圓院の第八世住職・阿浄律師となります。
 大圓院の庭には、横笛ちゃんがウグイスに化身して飛んできて止まったという梅や、
 ウグイスが落ちた井戸があります。
 寺伝では、阿浄律師は横笛ちゃんの菩提を弔うため阿弥陀如来立像を彫り、
 井戸に落ちて死んだウグイスの亡骸をその胎内に納めたということです。
 この阿弥陀さんはウグイスの弥陀とも呼ばれていて、大圓院の本尊です。




大圓院
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ウグイスの梅とウグイスの井戸
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ウグイスの井戸は梅の木のうしろにある。
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≪余談1≫

 御所の滝口で警護担当の武士だった斎藤時頼は平重盛に仕えていたので、
 平重衡とは顔見知りだったかも知れませんね。

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≪余談2≫

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 横笛ちゃんの最期はいくつか話があって、

  (1) 嵐山の大堰川 (桂川の上流) で入水。
  (2) 尼になって奈良・法華寺に入ったが、ほどなく亡くなった。 (『平家物語』 覚一本)
  (3) 高野山の麓で、女性がぎりぎり近づける天野まで来て、そこで亡くなった。
 など。

 大圓院に伝わる話は、(3)の話の系統でしょう。



 以前、天野で横笛ちゃんゆかりの場所を訪ねました。


横笛の恋塚 @天野
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右側の石積みが横笛ちゃんの墓石。
左側の宝篋印塔は昭和56年に大圓院によって建てられた供養塔。




神田 [こうだ] 地蔵堂 @天野
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横笛ちゃんはここで滝口入道を今か今かと待っていたという。




≪余談3≫

有王丸の墓 @天野
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有王丸は俊寛僧都の従者。
流刑先の鬼界が島で亡くなった僧都の遺骨を首にかけて持ち帰り、
高野山奥ノ院に納め、蓮華谷で法師となった。




※ 使用した写真は、2013年~2015年に撮ったものなので、現状と違っている可能性があります。


(つづく)


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