かいがけの道と快慶仏


「かいがけ」 とは、貝掛または峡崖のことだそうです。
現地にある説明板には、
 「かいがけの道は、河内と大和を結ぶ重要な交通路として、
  古代には修験の道、奈良・平安時代には紀州熊野神社へ詣でる熊野街道として、
  また天正年間には織田軍と戦った武将どもの馬駆け道として多くの者が往来した。」
とあり、また別の説明板には、大和に大仏様が建立されるときも、仏師たちが行き交ったと伝えられ、
そのためか、約1kmの道筋には、多くのお地蔵さまや伏拝 [ふしおがみ] が点在している、とも記されています。

交野市のHPにもかいがけの道について説明ありますが、
【交野遺産】と自慢している割にはその内容がお役所仕事っぽい。 →


今回歩いたのは、大阪府交野市の寺という地区から、奈良県との境にある傍示 [ほうじ] まで。
隣接する奈良県生駒市側にも傍示と呼ばれる地区があって、
昔は大阪府側を西傍示、奈良県側を東傍示と言っていたようです。

交野市傍示にある八葉蓮華寺には、快慶作の阿弥陀如来立像 (国重文) が安置されています。
2017年の奈良国立博物館で開催された 「快慶展」 にお出ましされました。
八葉蓮華寺といっても、現在は収蔵庫があるだけで、僧侶がいるような寺の体ではありません。
近隣の寺院から僧侶がやってきて執り行う法要のとき以外は、閉まっているようです。
ただし、年に1回か、2回、交野市教育委員会が主催で一般公開されます。
公開情報は交野市のHPで確認できます。
事前申し込み制で定員は先着30名、公開時間は当日午前10時30分から1時間だけと、
参拝のハードルがとても高いです。

 ※ 今回の公開情報 →
   「新TV見仏記」で紹介とか、奈良国立博物館の「快慶展」へお出ましといった文字も (プチ自慢)。



最寄りの駅は、JR片町線・河内磐船駅、または京阪交野線・河内森駅ですが、かいがけの道経由だとやや大回りになります。



交野市寺にある住吉神社の脇が、かいがけ道の実質的な取り付き。
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この先は、もっと鬱蒼としています。
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「伏拝」 とは、遥拝所のこと。
都合で現地へ行けない人が、伏拝で拝んだようです。
山中には、石清水八幡宮、能勢妙見大菩薩などと刻まれた伏拝石があちこちに。

「愛宕山大権現」
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「二月堂」
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ここから二月堂の観音さまに手を合わせた人々がいた。







かいがけ地蔵
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瓦屋根のお堂があったらしく、周囲には瓦が散乱しています。







薄暗い山の中から、一転、開けた場所に出ると、ほっとします。

傍示の里へ抜けたところで、出てきた森のほうを振り返ったところ。
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棚田のある里山
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八葉蓮華寺という名の収蔵庫
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阿弥陀如来立像の内部には、明遍僧都自筆の書などが納められています。
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拝観のしおり (裏面は省略)
renngejisioriA.jpg







ご朱印
renngejishuinA.jpg
書置きなので日付はありませんが、拝観の困難さを考えると激レアと思います。







(参考) 「快慶展」 図録から
201805262319A.jpg
光背も台座も当初のもの。




八葉蓮華寺のある傍示の住人には、伊丹さんと言う方が多いそうです。
ご先祖様はもともと兵庫県伊丹市にいたのですが、
戦国時代、織田信長に反抗して有岡城(伊丹城)に籠城した荒木村重が破れたため、今の地へ逃げ延びたということです。
今回の公開の世話役さんも、伊丹さんでした。




八葉蓮華寺


交野 [かたの] も難読ですが、私市 [きさいち] も普通は読めません。





≪余談≫
 八葉蓮華寺で快慶仏の解説をしてくださったのは、交野市教育委員会の方。
 「新TV見仏記~大阪・ひっそりおはす編」 収録のときも、この方が対応されていました。
 収録時のウラ話(?)も聞けて、とても楽しかったです。




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