六根清浄とバラバラ心経


東大寺総合文化センターで2018年11月24日(土)、ザ・グレイトブッダ・シンポジウム (GBS) の第1日目があり、聴講しました。


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今年のテーマは、「明治時代の東大寺 -近代化がもたらした光と影-」。
この日の講師は講演順に、島薗進先生(上智大学)、田中利典師(金峯山寺)、狹川宗玄師(東大寺長老) のお三方。
演題はそれぞれ 「近代仏教の見直しと東大寺」、「明治期における神仏分離と修験道」、「東大寺に残る神仏習合」 でした。
ワタクシがこの数年で聴講した講演会の中で、三本の指に入るくらいの素晴らしい内容でした。


田中利典師は、金峯山寺の 「顔」 といっても過言ではない著名人。
「新TV見仏記」 で仏友ふたりが金峯山寺を訪れた際、対応したのも利典さんでした。
金峯山寺が昔から東大寺と深い関係だったことに触れ、東大寺法華堂(三月堂) でかつて行われていた 「千日不断花」 は回峰する修験の行であることも紹介されました。
明治時代に入って神仏分離により修験道が禁止されたため、金峯山寺が大変なことになった話の中で、ゴルゴ13が出てきたのにはビックリ。
キーワードは 「グローカル」。
グローバルな仏教とローカルな神道が結びついた 「グローカル」 な実践宗教で、大自然を道場とする山の宗教が修験道。
大峯の山中を行く修験者たちの画像を見ながら少し体験していただきましょうということになり、聴講者全員がその場に立ち、「さーんげさんげー、ろっこんしょーじょー」(懺悔、懺悔、六根清浄) の掛け念仏を唱えることに。
利典さんの先導で、しばらくの間、大声で唱えましたよ。


狹川長老さま。
よく通る張りのあるお声で、とても98歳とは思えません。
東大寺における神道関係のお話です。
二月堂修二会における神仏習合に係わるお話しもたくさん聞けました。
例えば、修二会本行の前日に行われる 「大中臣祓」[おおなかとみのはらえ] で咒師が唱える言葉(実際には声に出さず黙誦) の意味を紹介され、「大一」は太陽のこと、「徴明」や「河魁」 は星の名前と思われるので、神道のほか陰陽道などの影響もあるようだとのこと。
修二会本行中に読み上げられる神名帳についてもお話しがありました。
僧形八幡神坐像がおわす八幡殿での勤行では、「バラバラ心経」 という東大寺独自のお経が唱えられますが、なんと長老さま、直近の勤行で唱えられた 「バラバラ心経」 をポータブル・レコーダーで録音し、この講演会で披露されました。
ちゃんとご自身でレコーダーを操作して再生されるのにびっくりです。
この講演会のために事前に文字起こしをして資料化し、語句の意味を調べたのもすごい!
好奇心衰えずです。
東大寺の僧侶だけに口伝で伝わっている、暗号のような 「バラバラ心経」。
般若心経の語句と神道系の語句がちりばめられているのですが、「えぞ、えぞ・・・」 とか、「だあだだだ・・・」 とか、「めか、めか・・・」とかの謎のリフレインもあります。
昔、摂社(?)の前を通るときに 「バラバラ心経」 を唱えることができたら、東大寺の僧として認められて通してもらえた、という言い伝えがあるそうです。
そのほかにも、「ここだけの話ですが」 という秘話をたくさんしてくださいました。
長老さまのお話を聞く機会が今年は2回もあって、たいへんありがたいことでした。



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