奈良の仏像の楽しみ方・シンポジウム





シンポジウム「奈良の仏像の楽しみ方」が、2013年9月28日(土)、
神戸市の兵庫県立美術館ギャラリー棟ミュージアムホールで開催されました。
定員250席はほぼ満席の盛況でした。


<案内のチラシから抜粋>

  奈良国立博物館・奈良県立美術館・入江泰吉記念奈良市写真美術館の3館が連携し、
  奈良公園周辺の文化・芸術に触れる機会を創出するため、
  「奈良トライアングルミュージアムズ推進会議」を立ち上げ、
  3館が共同しての情報発信やイベントに取り組んでいます。

  この度、「奈良の仏像の楽しみ方 ~トライアングルミュージアムズからの提案~」
  と題しまして、シンポジウムを開催します。

  ゲストパネリストに人気ファッションモデルのはなさんをお迎えし、
  親しみやすくお話していただきます。




シンポジウムは2部構成になっていて、
第1部は基調講演「仏像に会う」で、講師は西山厚先生(奈良国立博物館学芸部長)。
第2部はパネルディスカッションで、パネリストは第1部に引き続き西山先生のほか、
南城守先生(奈良県立美術館学芸課長)、
説田晃大先生(前入江泰吉記念奈良市写真美術館主任学芸員)、
はなさん(モデル、タレント)、
といういずれも奈良ゆかりの豪華なメンバーでした。
司会・コーディネーターは、上田千華さん。(元NHK奈良放送局・NHK福井放送局キャスター)



■第1部 基調講演「仏像に会う」(講師:西山先生)

 いつものように、西山先生のユーモアあふれるお話でした。

 まず、奈良博の本館を「なら仏像館」としてリニューアルした経緯や、
 仏像の展示・保存などに対する奈良博の取り組みについて説明されたあと、
 さまざまな仏像の写真とその仏像に係わるエピソードを紹介しながら
 “仏像を見る”ではなく“仏像に会う”とはどういうことか、について説明がありました。

 西山先生は、いま私たちが“会う”仏像はその仏像を守ろうとした人たちが
 いたからこそ残っているのであり、その仏像には制作を依頼した人の
 特別な願い・祈りが込められている、と語られていました。
 その一例として、興福寺の阿修羅像の話がありました。
 阿修羅像と光明皇后の話は、先生の講話や記述によく採り上げられています。

 それと、西山先生が奈良県の山添村にある小学校を訪問したときの話も
 とても感動的でした。
 自分たちが住む村に行基さんが作ったお寺(神野寺、こうのじ)があって、
 そのお寺に古い仏像が伝わっていることが、子どもたちも自慢なのですね。
 神野寺の菩薩半跏像(飛鳥時代)は、奈良博に寄託中です。
 あとで調べたら、ここ(→)に今回の話が出ていました。


神野寺(こうのじ)





■第2部 パネルディスカッション

 奈良の仏像の魅力について、各パネリストがそれぞれの視点から
 熱く語られていました。
 特に印象に残った話を紹介します。

 説田先生は、土門拳、入江泰吉それぞれが撮った室生寺弥勒堂の釈迦如来坐像の
 横顔写真を並べて、同じ横顔の写真でも撮影アプローチの違いを指摘し、
 両者の個性の差を説明されていました。
 一言でいうと、土門拳のは“見る写真”、入江泰吉のは“眺める写真”。

 南城先生は、ご近所にいたという新納忠之介(にいろちゅうのすけ)の話。
 仏像修理の第一人者で、法隆寺の百済観音も修理した大恩人なんだそうです。

 はなさんは、好きな仏像がたくさん住んでいらっしゃるのが奈良で、
 仏像にじっくり向き合える奈良がいい、とのコメント。
 最近気に入った奈良の店の話をはなさんがしたら、
 西山先生がズバリその店の名前を当てたので盛り上がっていました。(笑)

 あと、今東京で開催中の興福寺「仏頭展」に関連して、
 西山先生から仏頭にまつわるコワイ話が披露されて、場内が騒然!
 でも今回は十二神将像もお出ましになっているので大丈夫でしょうと、
 フォローされていましたが。。。


しめくくりに、各先生から今後の展覧会の紹介がありました。

・奈良県立美術館「藪内佐斗司展 やまとぢから」(2013.10.19~12.15)
・奈良国立博物館「正倉院展」(2013.10.26~11.11)
・奈良市写真美術館「写真集でたどる入江泰吉の軌跡(後期)」(2013.10.5~12.23)






今回のシンポジウム参加者には、各博物館・美術館の展覧会のチラシのほか、
割引券や招待券も配布されて至れり尽くせりでした。

あっという間に時間が過ぎてしまった、楽しいシンポジウムでした。

















兵庫県立美術館屋上の巨大カエル・オブジェ
美かえる







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★MILK MODEさん、こんばんは!
おおー、フォーラム、行かれましたか。
いいな、いいな。
それに、仏教美術資料研究センター。
まだ入ったことがありません!
いいな、いいな。
正倉院展でも奇遇でしたね。
貴重な体験をされましたね。
MILKさんのブログに記事がアップされるのかな?
楽しみで~す!

こんばんは!
今日、なむさいじょうさんに教えて頂いた「古典の日フォーラム」を聞きに行ってきました。
西山先生のソフトで優しげな語り口調を生で聞くことができて、また仏教美術資料研究センター
の中にも入れて感激でした。
内容は、古典を通してみる男女の関係、ざっくばらんな大人の恋愛座談会みたいな感じでした。(意外にも)
その後正倉院展に行ったのですが、ふと何気にガラスの向こうに目をやると、
紺野美紗子さんのお顔が…
フォーラムに参加された先生方も、西山先生の解説付きで正倉院展をご覧になられてました(^-^)

なむさいじょうさん!情報ありがとうございました!(≧▽≦)

★MILK MODEさん、こんばんは!
はい、とても楽しいシンポジウムでした。
あ~、このテレビ番組の話!
今回の講演でも西山先生、嬉しそうに披露されてましたよ~。(笑)
とりあえずワタクシが知っている、西山先生参加のイベントです。
ご参考まで。楽しくないはずがありませんので、機会があればぜひ。
(1)古典の日フォーラム「古典の魅力を堪能する」、11月1日、@奈良博、無料、要申し込み
    →http://www.narahaku.go.jp/events/2013event/kotennohi_forum.html
  ※詳細が不明ですが、女優の紺野美紗子さんが参加されるようなので、
    もしかしたら朗読があるかも?
(2)奈良県内の国宝仏像すべてを巡りきるバスツアー、全6回、各回有料、要申し込み
    →http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/pages/fanclub/koza03/course02/index.html
  ※2013年度中に6回に分けて奈良県内の国宝仏69件すべてを拝観するという、
    すごいイベントをやってます。第2回まで終了。
    1年の中で10月5日、12月16日のその日1日だけ一般公開される国宝仏がありますので
    貴重ですよ。
★かぎろひさん、こんばんは!
神戸の皆さん、どうそ奈良へ来てください! ということですね。
ま、神戸だけではないと思いますけど。
説田先生の仏像写真の話が大変興味深かったです。
仏像写真の工藤利三郎、飛鳥園の小川晴暘氏や小川光三氏の撮影裏話など、
とても貴重なお話を伺うことができました。
そうそう、「古都を感じるコレクション」シリーズ、約2年前から更新されていませんね。
西山先生、お忙しいのでしょうか。
でも、奈良町の飲み屋というか、お店をよくご存知のようで。。。(笑)

こんばんは!
へぇえ、こんな素敵なシンポジウムが神戸であったなんて。。。
さぞ楽しかったことでしょう。
奈良でもやってほしいわぁ!
西山先生の「古都を感じるコレクション」シリーズは楽しみに読んでいたのですが、最近更新がありませんね。終わったのかな。

こんばんは!
このシンポジウム、行って来られたのですね。
私もチラシを見て、はなちゃんが来られるならあまり堅苦しくないのかな?
行ってみたいなと思ったんですけど、締切ぎりぎりで、無理だろうとあきらめました。
やまぞえ小学校のお話、いいお話ですね。
西山先生って、お写真でしか拝見したことないですけど、素敵な方ですね。
先日の毎日新聞のコラムでは、ビーバップハイヒールと言う番組に出演された時のこと書かれてました。
「先生、かわいい」と言われた、女性からよくそう言われると、自分で書いてはりました(笑)
充実した内容のシンポジウムで良かったですね。
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プロフィール

なむさいじょう

Author:なむさいじょう



阪神エリア在住のおっさん。
時間を見つけては奈良めぐり。

※2013年までの過去記事は本サイトへインポート後、一部を除いてリンクの更新等を行なっておりませんので見苦しい部分があります。ご了承ください。
※過去記事へのコメントも歓迎。

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