弁慶の制札


源平ゆかりの須磨寺
すでにお参り済みですが、
文楽、歌舞伎の演目のひとつ『一谷嫩軍記』(いちのたにふたばぐんき)
ゆかりのものがあることを最近知って、再度訪問しました。


なんと、武蔵坊弁慶が書いた「若木の桜の制札(せいさつ)」があるのです!
(平敦盛の「青葉の笛」も!)

制札とは、「~禁止」とか「~に従え」みたいなお触れ書きの立て看板のようなもの。

主人公の熊谷次郎直実が制札を持って見得を切る場面はどなたもご存知。
(あ、ご存知なければスルーしてください)

(文楽ポスターから拝借)




  

宝物館に入ると、それは、ある。

  

文字が書かれた板と思っていたので、額に入った紙?
少々、拍子抜け。

何て書かれているかというと、

   須磨寺桜

  此花江南所無也
  一枝於折盗之輩者
  任天永紅葉之例
  伐一枝者可剪一指
  寿永三年二月日



細かいことは省きますが、要は
「枝一本切ったら指一本切るぞ」
ということ。
(劇では、「一枝」が「一子」を暗に意味して、フクザツな展開になるのですが。。。)

この制札が「若木の桜」の前に昔、立ててあったという伝説。
寿永三年二月といったら、まさに一ノ谷の戦いのときではありませんか。

  



境内にある源平の庭の片隅に、若木の桜がある。

  

  

もっと大きい木かと思った。

若木の桜のすぐ横に制札を模した説明石がある。

 『若木の桜

  この桜 老木とならずして
  たえず新芽を生じ常に若
  木の姿を失はず
  よりてこの名あり

  武蔵坊弁慶の制札に曰く
  「伐一枝者可剪一指」○』

            (○の字が判読できず)

幹が枯れても新芽が出て若木の姿を失わないということから、
若木の桜と名づけられたこの桜。

源氏物語の須磨の巻に
「須磨に年かへりて日ながくつれづれなるに うえし若木の桜
 ほのかにさきそめし 空の気色うららかな」という一節があって、
光源氏が手植えしたとの伝説がありますが、
もちろん後世の人が植えたのでしょう。(夢、ぶち壊しですか)


宝物館には驚くべきお宝がほかにもありますゾ。
  青葉の笛(平敦盛所有)
  弓・矢筒・陣笠(平敦盛所有)
  鼓(平清盛寄進)
  弁慶の鐘
  「赤旗名号」(法然上人による「南無阿弥陀仏」の書)
  鬼面(伝・運慶作)

などなど。
ただ、すごい宝物の割には管理がいまひとつ行き届いていない感あり。


境内には、
  平敦盛墓所(首塚)
  平敦盛首洗いの池
  源義経腰掛けの松

のほかに、からくり仕掛けモノがけっこうあって、それなりに面白い。
須磨寺は半ば観光寺院でありながら、拝観無料で、宝物館も無料!




境内にある石造十三重塔。

  

もともと奈良県山辺郡の来迎寺にあったとのこと。
山辺郡の来迎寺とは、今は奈良市になっている都祁の来迎寺、でしょうか。
その来迎寺にあった十三重塔が、
なぜ須磨寺に移されたのかはよく分かりませんでした。

花崗岩製。
高さ5.24m。
嘉暦2年(1327)の刻銘あり。

去年2012年、奈良国立博物館で開催された「頼朝と重源」展で
来迎寺の善導大師像(快慶作)が出品されていたのを思い出しました。
なかなかいいお像でした。


※余談ですが、須磨寺には映画評論家の淀川長治氏のお墓があります。



須磨浦公園前の海岸沿いを走るJR



須磨浦公園あたりは一ノ谷の戦場



須磨海水浴場






境内にあった看板。ちょっとかっこいい!




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★ひーさん、こんばんは!
卯の花寿し。
初耳だったので調べたら、須磨寺参道の名物のようですね。
今度行ったら試してみたいです。
敦盛そば。
敦盛塚の隣にありましたね。
こちらは気付きましたが、時間がなくてパスしました!
> お供え物のお下がりでお揚げさん
まさか。。。キツネ、ですか?

須磨寺といえば、卯の花寿しと穴子寿ししか思い出せない(笑)
あとね、夕方にお参りしたので、お供え物のお下がりでお揚げさんをいただきました。
ぶらぶら歩いて一の谷あたりも散策したっけ。。(←少し思い出してきた!)
敦盛そばだったかな・・・そういうのがあって、次に来た時には食べよう!って思ったのを思い出しました。
結局、食べ物ばっかり^^;

★リンネさん、こんばんは!
情報提供いただき、ありがとうございます。
お手数おかけし、恐縮でございます。
そうですか、大正時代に売却されたものだったんですね。
経済的な理由でこのようなことをせざるをえなかった、ということでしょうか。
十輪院の経蔵が東京国立博物館にあるのも、おそらく同じ理由ではないでしょうか。
重源さんのお墓。
以前拝見しましたが、横から見て三角形の部分が上から見ても三角形、つまり三角錐の形ですね。
たしかに、変わっていますね。
★らんさん、こんばんは!
べりー・ないす、なコメントです。
若木の桜の横に一緒に植わっているのが、いいかも知れません。
(顔だけ出して)
ただし、あくまで自己責任で。
★かぎろひさん、こんばんは!
奈良県民は、「海」関連モノを見ると、やはり落着かないですか?
海沿いを走る列車からの景色には、やはり色めき立ちます。
ワタクシも、と~っても行きたいです。
★MILK MODEさん、こんばんは!
主旨から外れていても、話題のきっかけになっていれば、幸いでございます。(笑)
おおっ、湖西線ですか。
目的地はどこなんでしょうか。
ご報告、お待ちしております!!

こんばんは!
私も主旨から外れて申し訳ないのですが、、、
明日あたり、湖西線に乗ってみようと思ってます。
電車の中から写真が撮れるか心配です。

こんにちは!
私もメインから外れて申しわけないのですが、
>須磨浦公園前の海岸沿いを走るJR
に、旅情をかきたてられて困っています。
ああ、18きっぷの旅がした~い。

こんばんは~
なむさいじょうさんの主旨とは全くちがうコメントで申し訳ないのですが
「若木の桜」・・・羨ましい( ・ิω・ิ)
DNAを少し分けてもらえんでしょうか?

こんばんは
本棚に有ります都祁村史でちょこっと調べてみました。
十三重塔は、大正8年に売却されたようですね。
売却は、来迎寺の寺勢が衰えたからかな?
今来迎寺にある石造十三重塔は売却の2年後に造立されたものだそうです。
都祁の針インター近くに観音寺があり、境内には、創建当時の石造十三重塔があるようです。
この塔は、来迎寺の僧西念が東山中十三ヶ所に建立した塔の一基らしいです。
1352年の刻銘 高さ 4.5m
重源の墓と伝えられているのが、東大寺の北、三笠霊園の山頂近くの12区画だったかな?にあり、形が変わっていてビックリしました。
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