夏祭浪花鑑


    ちょうさぁ ようさぁ ちょうさぁ ようさぁ・・・




 今回の平成25年夏休み文楽特別公演の第三部『夏祭浪花鑑』は、
 住吉鳥居前の段、釣船三婦内の段、長町裏の段の順に上演されています。

    


【長町裏の段】

 高津宮の夏祭り・宵宮。
 神輿の掛け声とともに聞こえてくるだんじり囃子。
 リズミカルに打ち鳴らされる太鼓と鉦の音。
 別世界へトリップ。

 義父の義平次が悪態の限りを尽くす。
 我慢に我慢を重ねていた団七九郎兵衛の理性の糸がぷっつり切れ、


    毒食らわば皿

    ・・・・・
    ・・・・・

    悪い人でも舅(しゅうと)は親
    南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

    八丁目、指してぇ



 そして、だんじり囃子(アッチェル、クレッシェンド)・・・・[幕]


 型のオンパレード。
 もー、堪能しましたよ。
 団七九郎兵衛。
 かっこいい。
 背中には、不動明王の彫り物があったんですね。

 そして義平次もグロくて、すげー。
 背中を切りつけられて切り口から血が見えるところとか
 (実際には赤い布を引っ張り出している?)、
 池に投げ込まれたあと、瀕死状態で池から手や顔がチラ見えするところとか。

 見どころ、聴きどころ満載です。

 薄暗いセットの背後のほうにある垣根に、カボチャの黄色い花が見えました。
 いちおう、お約束みたいですね。


段が前後しましたが。。。。

【釣船三婦内の段】

 猛暑の中、黒い服をぴしっと着て、傘さして、サブちゃんちにやってきたお辰さん。
 お辰姐さん、粋ですねぇ。カッコイイ。
 お辰さんの人形遣いは、吉田蓑助さん。切場の大夫は、竹本住大夫さん。

 そうそう、この段では、えっちな会話がけっこうあるゾ。




→余談1

  サブちゃんちの近くにある高津宮に行ってきた。
  国立文楽劇場から東へ5分ほど歩いたところにある。
  境内には、夏越の祓の茅の輪がまだあった。
  ほかに人もいなかったので、しきたりどおりに8の字に回る。

    

  祭神は仁徳天皇。
  仁徳天皇の難波高津宮は、このあたりにあったらしい。
  そういえば、奈良・奥明日香の入谷地区にある大仁保神社の祭神も、
  仁徳天皇だった。


  高津宮の夏祭りは、7月17日と18日。
   朝日新聞デジタル『文楽人形「飛び入り参加」、神輿と宮入り 大阪・高津宮』→
   動画では、団七九郎兵衛が実にうまそうにお神酒を召し上がっておいでですな。

    

    

    

  熊野古道の「熊野九十九王子」のひとつ群戸王子(こうとおうじ)は
  元は大阪城あたりにあったが、この高津宮に遷座したらしい。

    


→余談2

  長町裏の事件現場に行ってきた。
  迷わなければ、国立文楽劇場から南西へ10分も歩かないところにある。
  堺筋沿いの日本橋二丁目6番あたりから南海難波駅ビル方面を望む。

    

  この道を進むと、途中に難波千日前公園がある。
  どうやらこの公園付近で、事件があったらしい。

    

  延亨元年(1744)の冬に、堺の魚売りが博打のいさかいから人を殺し、
  その死骸を雪に埋めたものの翌春雪解けして事件が発覚、処刑された、
  ということのようです。
  時期は、冬だったんですね。


→余談3

  国立文楽劇場の周辺の地図。

    

  高津宮や、長町裏の事件現場のほかに、
  『曽根崎心中』にも出てくる生玉神社(生國魂神社)、
  お初の墓地、
  近松門左衛門の墓地(尼崎にもある)などがあります。
  偶然、梶井基次郎の墓地も発見。
  地図に「上汐町」が見えるが、『艶容女舞衣』の茜屋があったところか?




←余談から話の本筋に戻る(つまり、閑話休題)


 夏休み特別公演の第二部は『妹背山婦女庭訓』
 奈良の三輪山、
 三輪明神大神神社(おおみわじんじゃ)、
 石上神宮など、
 あのあたりが舞台。
 猿沢池の衣掛柳伝説、
 春日大社の鹿殺しの犯人が興福寺で石子詰めになった伝説、
 三輪山の伝説など大和の伝説が盛り込まれているようです。
 登場人物も、蘇我入鹿、藤原不比等(淡海)といった
 歴史上の人物の名を借りていますが、
 直接ストーリーとは関係ないようです。
 ただ、文楽の超初心者としてはハードル高く、今回は観劇を見送り。

 舞台初日の7月20日、大神神社の権禰宜さんから
 お三輪ちゃんにプレゼントされた「志るしの杉玉」
 劇場2階ロビーに置かれています。

    

 【杉酒屋の段】に出てくる酒屋は、
 大神神社の近くに実在する今西酒造さんがモデルとのこと。
 劇場2階ロビーの売店では、今西酒造さんのお酒『三諸杉』が
 販売されてました。



→余談4

  【道行恋苧環の段】に出てくる苧環(おだまき)。
  卑弥呼の墓とも言われる箸墓古墳の近くに「おだまき塚」があって、
  古事記の三輪山伝説に出てきた糸(おだまき)がその下に納められているとか。

   ※電車から見た三輪山だぁ~
      

   ※電車から見た箸墓古墳だぁ~
      



←余談から話の本筋に戻る(つまり、閑話休題)

 この公演プログラムに、上野誠先生(奈良大学教授)が一文を寄せている。

    


 劇場1階ロビーで。

    


 観劇のあと劇場を出たら、すげー蒸し暑い大阪の夜。
 何かが起こりそう。。。




 今回観た『夏祭浪花鑑』をテレビで放送して欲しいけど、
 内容が内容だけに教育テレビ(Eテレ)では難しい?


※国立文楽劇場で行なわれている平成25年夏休み文楽特別公演は、8月5日(月)まで。






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こんばんは!
まだまだ初心者ですから、記事には的外れが多いと思いますよ。
そんな記事に目を通していただいて、大変恐縮です。
でも劇場で本物を観られるのは、素晴らしいですね。
演目に関係する場所が大阪やその周辺に多いことに驚きました。
奈良への行き帰りは大阪を素通りしていましたが、
奈良も含めて演目ゆかりの場所に立ち寄ることが
これからもときどきあると思います。
それにしても暑かったですよ~。
暑い中、だんじり囃子が聞こえてきたら、ヤバイっす。(笑)

こんばんは!
とっても楽しく拝読しました~
いつのまにか、文楽通になってはりますね^^
妹背山女庭訓は、学生時代に見たことがありますが、三輪の今西酒造さんモデルの酒屋とはまるで知りませんでした。まあ、その頃は奈良に無縁で、今西さんのことも知りませんでしたが^^;
つい先日(22日)、今西さんへ行ってきたところですよ。
文楽には、ン十年ご無沙汰しておりましたが、こんなリアルな記事を見せられると、久しぶりにあの雰囲気を味わいたくなりました。
そして、大阪をこんなふうに歩くことはまずないので、へえぇ、とおもしろがっています。暑かったでしょ。
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