荒木又右衛門in奈良


荒木又右衛門は実在の人物で、江戸時代初期の武士で剣客。
剣術師範役として大和郡山藩に仕えていました。
伊賀上野で実際にあった鍵屋の辻の決闘[かぎやのつじのけっとう]で活躍しました。

又右衛門の義理の弟(渡辺数馬)は助太刀の又右衛門らとともに敵を捜し出し、
伊賀上野で敵討ちをして本懐を遂げます。
寛永11年(1634) 11月7日のことでした。

文楽の『伊賀越道中双六』という演目は、この事件を題材にしています。
お芝居の中では、荒木又右衛門は「唐木政右衛門」という名前で登場しています。

2013年11月、大阪国立文楽劇場で『伊賀越道中双六』の通し上演が行われました。[注]
(演目解説→

通しの上演時間はなんと8時間以上もあって、
不案内のワタクシは劇場での観劇は諦めました。
幸い、年末にNHKのEテレでぶっ通しで放送してくれました。(関西地方のみ)
納得できないストーリー展開もありますが、面白かったです。
そして泣かされました。





奈良にある、荒木又右衛門ゆかりの場所をご紹介。


(1)郡山


近鉄郡山駅

  




荒木又右衛門屋敷跡
 ※超弩級ヴォリュームのトンカツの店「とんまさ」の近くにあり。

  

「唐木政右衛門屋敷の段」で、わずか7歳の花嫁は三々九度のかわりにお饅頭を食べた。




大和郡山城天守台からの眺望(2012.6.2)

  

御前試合で唐木政右衛門はわざと負け、暇が与えられた「誉田家大広間の段」ゆかりの郡山城。

 ※石垣の修復などの整備工事のため、
  郡山城天守台付近は平成29年3月下旬まで
  立ち入り禁止だそうです。



(2)柳生

奈良市にある柳生の里は、剣術で名高い柳生家ゆかりの里。
そこに芳徳禅寺という柳生家の菩提寺があり、
その本堂に隣接している資料室には、
武具や兵法巻物など剣術関連のさまざまなグッズが展示されています。

その中にあったこれ、忍び具足

  

  

戦いの際に上着の下に着込んだ鎖帷子[くさりかたびら]などのことだそうで、
荒木又右衛門は伊賀越えの決闘でこのような具足を着用していた、
というようなことが説明書きにありました。
写真は鎖頭巾だと思いますが、
文楽『伊賀越道中双六』の「伊賀上野敵討の段」を見ていたら、
唐木政右衛門の上着からのぞいているメッシュ状の模様を発見!

  

お~、これが鎖帷子なんでしょ。
でも、鎖帷子を事前に着込んで待ち伏せって。。。反則じゃね?



荒木又右衛門は剣豪・柳生十兵衛の門人となって柳生新陰流を学んだという話がありますが、
これは史実ではないようです。




奈良公園から滝坂道を柳生方面に少し行くと、首切り地蔵があります。

  

首のところが割れています。
荒木又右衛門が試し斬りしたためとの伝説がある、と横の説明板にあります。
そんな罰当たりなことはしないでしょう。
実際は石像が倒れた際に割れたのではないでしょうか。





又右衛門は寛永15年(1638)に鳥取へ移って間もなく、亡くなったとのことです。



[注]
2013年11月、大阪・国立文楽劇場で上演された『伊賀越道中双六』のうち、
「沼津の段」の千本松原の場面をメインにNHKのEテレで放送するそうです。→
この段では唐木政右衛門(=荒木又右衛門)や和田志津馬(=渡辺数馬)は登場しませんが、
千本松原での親子の別れの場面は名場面と言われています。
泣いてください。

 2014年2月14日(金) 午後10時00分 ~ 午後10時58分
    2月21日(金) 正午12時 ~ 午後0時58分[再放送]







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なららさん、こんばんは!

恥を忍んで申し上げます。
今回の文楽で、鍵屋の辻の決闘のことを初めて知りました。
以前観た柳生十兵衛関連の映画かテレビドラマで、荒木又右衛門の名前は知っていたのですけど。
文化が断絶せずに済みました。ヨカッタデス。

No title

おはようおございます

職場の方に伊賀上野に住居がある若い方がおられます。
先日「日本三大決闘」の話に花が咲いた時、
鍵屋の辻のことを話しましたら、はじめて知ったとのことでした。
・・・・・文化の断絶がどこかにありますな!!!
歌舞伎も文楽も、落語も、講談も、浪花節も歴史を知る大切なツールですね。

らんさん、こんばんは!

さらちゃん、メダルには届かなかったけれど、すごいプレッシャーの中で4位ですよ。
立派です。
次の目標に向けて頑張って欲しいです。

さて、「浄瑠璃の基本には信仰が必ずある」。。。
なるほど、たしかにそうかも知れませんね。
江戸時代という封建社会の価値観が反映した演目が多いですけど、
子に対する親心、親に対する孝心、そして登場人物の多くは信心深いです。
価値観が違っても、時代を越えて胸を打ちます。
そういうところに魅力があるのでしょうね。

「とんまさ」に行く勇気がありません。
胃袋のサイズがらんさんの10分の1ですから、ぜったい「弱虫パック」になりますよ。(笑)

浄瑠璃と信仰

おはようございます~
オリンピックの女子ジャンプを見ていたら寝そびれてしましました・・・。
今日は眠い一日になりそうです^^;

1ヶ月ほど前にジャングルから購入した本ですが
浄瑠璃の基本には信仰が必ずあるのだとか(*^_^*)
信仰ありきの浄瑠璃、根底に流れているものを感じられるから
日本人は文楽に揺さぶられるんでしょうかね。

「とんまさ」さんには行かれましたか(笑))

かぎろひさん、こんばんは!

衣装にもそれなりに意味があるので、見て分かる人には楽しいでしょうね。
ワタクシはほとんどワカリマセン。(悲)
でも、梅川ちゃんの衣装には、梅の花があしらってあって、ワタクシにもわかりました。

なるほど、決闘では勝たなくてはなりませんからね。
腕力だけでなく、知恵も要るのでしょうね。

鎖帷子

おはようございます!

先ほど、emirinさんのところで、またまた悔しい思いをしてきたばかりです(笑)

唐木政右衛門の上着からのぞいているメッシュ状の模様が鎖帷子を表しているというのが、とてもおもしろい! ついストーリーや人形の仕草に目がいってしまうのですが、衣装に至るまでしっかり時代考証されているんですね。さすが、余裕のなむさん!

命がけの決闘に反則はないんじゃね? 宮本武蔵だってズルイし(笑)、いろいろ考えたほうが勝ちだったりして。

白雪さん、こんばんは!

鍵屋の辻。
現地視察済みですか。
一度行ってみたいです。

年齢差から判断すると、又右衛門が十兵衛の門人になることはあり得ないようです。
後年、講談などでストーリー作りされたのではないか、というお話しです。
それはそれで面白いですけど。

No title

隊長鍵屋の辻行きましたよ、確かに待ち伏せするには戦いやすい場所だと思いましたよ。
正木坂道場で剣を磨いたのだと思っていました。
目からウロコでした。
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なむさいじょう

Author:なむさいじょう



阪神エリア在住のおっさん。
時間を見つけては奈良めぐり。

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