「高田好胤和上を偲んで」



奈良・薬師寺で、2014年6月15日(日)、奈良まほろば塾がありました。



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元管主・高田好胤師が1998年6月22日に亡くなってから16年。
17回忌を前に、「高田好胤和上を偲んで」と題して、
ご縁のあった方々から思い出などを語っていただき、好胤さんを偲ぶという催しです。


ゲストは、茶道裏千家前家元の千玄室さん、
スペシャルオリンピックス日本名誉会長の細川佳代子さん、
人形浄瑠璃文楽太夫をこの5月で引退された竹本住大夫さん。


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千玄室さん:

  「和の心」と題してご講演。
  玄奘三蔵院伽藍の壇上で、1時間ほど立ち続けてのお話。
  御年91歳。お元気です。かくしゃくとしていらっしゃいます。

  薬師寺へは戦前から来られていて、
  お茶好きの元管主・橋本凝胤師ともお付き合いがあり、
  好胤さんとは宗教について語り合ったこともあったそうです。

  戦後、世界各地を回り、茶道を通じて世界平和の実現に向けた活動をされてきたという玄室さん。
  好胤さんが説かれた“心のまほろば”の精神を引き継いでおられるお話に感銘しました。
  その原動力は、特攻隊の一員として極限状態を経験したことにもあるようです。
  同じ隊にいた俳優の西村晃さんと、戦後、劇的な再会を果たした話もされていました。





山田法胤師(薬師寺管主):

  師匠の橋本凝胤師は非常に厳格な方で、とても怖かったそうです。
  怒られると「帰れ!」と言われた。
  あるとき本当に郷里へ帰ろうとしたら、
  好胤さんに呼び止められて「ウチに来い」と言われ、居候をさせてもらうことになった。
  あのとき好胤さんに声を掛けてもらったので、いまの私がある。
  もし声を掛けてもらっていなければ、もっと偉くなっていたかもしれない。(場内爆笑)

    ※お坊さん(特に薬師寺の)は、お話しが上手。





細川佳代子さん:

  大学生のころ、関西へ一人旅をしたときに、初めて好胤さんにお目にかかったそうです。

  知り合いに頼んで、ただで泊めてもらえるところを探してもらったら、
  薬師寺にお世話になることになった。
  薬師寺に着いて宿所で夕食を頂いているときに、好胤さんが戻ってこられた。
  それが初めてお目にかかったときだそうです。
  そしたら、好胤さんから「寺で魚食うとる!」と怒鳴られた。
  なんて怖いお坊さんなんだろうと、震え上がった。
  そのあと、話があるから部屋に来なさいと言われ、恐る恐る行ったら、
  楽しい話をたくさんしてくれて、気付いたら深夜になっていた。

  翌日から数日間、法話であちこち行くので付いて来なさいと言われ、
  好胤さんの鞄持ちのようになって付いて行った。
  そのときに好胤さんの法話を聞いて、人生観が変わったそうです。





竹本住大夫さん:

  著書『なほになほなほ』に出ている話も披露されましたが、
  NHKや関西テレビのドキュメンタリーには出てこなかったような、ざっくばらんな話ばかり。
  「すんまへんなあ、しょーもない話ばかりで」という話の、なんと面白かったことか。

  好胤さんは文楽の観劇にもときどき行かれたそうで、
  心中宵庚申(の上田村?)や、伊賀越道中双六の沼津で、泣いてくれたそうです。

  人間国宝に認定された時に、好胤さんからお祝いに贈られた色紙が
  会場の聴講者に披露されました。
  著書のタイトルになった『なほになほなほ』が書かれた色紙です。

  学生時代は野球でキャッチャーをやっていたという住大夫さん、
  同じ野球好きの好胤さんと境内でキャッチボールもしたそうです。
  文楽の太夫で甲子園球場の土を踏んでいるのは、私だけ!、とご自慢も。

  会場には、光子夫人とご家族の方(娘さん?)もいらっしゃいました。






好胤さんは法話の後、聴講者とともに般若心経を唱え、
「かたよらない心」を唱和したと聞きました。
その「かたよらない心」を会場の全員で唱和しました。
ワタクシは好胤さんのお話を直接聞いたことがないので、
この唱和で少しだけ好胤さんに近づけたような気がしました。


    かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心
    ひろくひろく もっとひろく
    これが般若心経 空のこころなり






※メモ書きを見て記憶を呼び起こしながら書きましたので、
 間違えているかもしれませんが、悪しからず。
 ほかにも面白い話がたくさんありましたが、もう記憶が。。。。。





<余談1>

玄奘三蔵院に掲げられている「不東」の字。

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好胤さんの筆跡です。

引退に関するドキュメンタリー番組で、
住大夫さんが自宅で稽古する場面がありましたが、
部屋の壁に「不東」のお札がありました。

細川佳代子さんの夫・護熙[もりひろ]氏は茶人でもあり、
邸宅には「不東庵」という茶室があるそうです。







<余談2>

住大夫さんの引退に関するドキュメンタリー番組は、
NHKで4種類の放送があり、関西テレビでも約1時間枠で放送されました。(関西地区)
取材時間が長く、弟子など周囲の人々へのインタビューもあり、
内容の深堀りや面白さの点では、関テレのが一番だったように感じました。
床本は太夫自ら書くものと聞いていたのですが、
住大夫さんは字が下手なので、実は光子夫人に書いてもらっていた
と聞いてびっくりでした。







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なららさん、こんばんは!

今回参加させていただいて、こころのリフレッシュができたような気がしました。


<余談2の件>
おおー、あの教室でのシーンですね。
ということは、なららさんは孫弟子ですか!

そう、怒ってもらえるだけ幸せですね。
何も言われなくなったら、オワリと思います。

ところで、ワタクシがなららさんの弟子になったら、
曾孫弟子になるんでしょうか?(笑)
あ、違うお稽古ですね?

No title

こんにちは

何とも素晴らしい催しでしたこと・・・

どなたのお話も心にしみるお話です。

<余談2>
N*Kの番組で私の習い事の先生が某お教室の場面でえらい太夫からおこられてはりました・・・
本気で怒ってくれはるのだそうです。
本気で怒ってくれはる先生なんてめったにいはりません。
偉い人やと思います。
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