「智積院の声明」公演



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『真言宗智山派
 総本山智積院の声明 常楽会』


 と き:2014年9月13日(土)
 ところ:国立文楽劇場
 時間割:
    14:00-14:23 涅槃図絵解き
    14:23-14:30 お話
    14:30-15:05 遺教経[ゆいきょうぎょう]
    15:05-15:25 (休憩)
    15:25-16:50 常楽会[じょうらくえ]





涅槃図絵解き

  絵解き師の岡澤恭子さんがレーザーポインターを使いながら、
  ステージの中央に掲げられた絵解き用の大きな涅槃図を
  「お釈迦さま最後の旅」と題して語られました。
  仏画の絵解きというものを初めて聴きましたが、
  涅槃の場に立ち会っているかのような臨場感あふれる語りに
  聞き入ってしまいました。
  絵に描かれていることのひとつひとつに,深い意味があるのですね。
  昔の人は、こういう絵解きでお釈迦さまの人物像や教えを知り、伝えてきたのでしょう。
  なお、涅槃図には通常は描かれない猫が、
  智積院などにある涅槃図には描かれているそうです。(画面右下)


お話

  智積院の鵜飼五大師によるご挨拶。



遺教経、常楽会

  遺教経や常楽会については智積院のHPに説明がありますので、そちらでどうぞ。
     常楽会について→
     智積院HP→

  ステージに登場した28人の僧侶は、中央に掛けられた涅槃図をはさんで左右に分かれて座りました。
  着座する際、両膝を少し曲げて体を下げる形の会釈がなんとなくかわいらしく見えました。

  常楽会で語られる明恵上人の講式は日本語による涅槃物語で、
  その音楽的な構成からみて、後世に展開する浄瑠璃などの語りもの音楽の源流となっている、
  とプログラム冊子の解説にあります。

  東大寺二月堂修二会で唱えられるパワフルな声明に比べると、全体的に柔らかい感じの声明で、
  確かにゆったりとした節回しの語りは浄瑠璃などにつながっているように感じました。
  聞いていて心地よく、何度か入滅しそうに。(笑)
  ふと見回すと、入滅中の人があちこちに。

  “独唱と斉唱が重唱し、独唱では釈尊に会えなかった嘆き、斉唱では舎利の功徳を讃嘆するという、
   全く違うお経が同時に唱えられる。まさに邦楽オペラとでもいうべき一種独特な法要形式である。”
   (プログラム冊子の解説より)
  常楽会の舎利講式の途中で、ソロとユニゾンがそれぞれ別のお経を同時に唱える部分があり、
  ワタクシには未体験の音響で鳥肌が立ちました。




心が洗われるようなひとときでした。

あ、入滅中だった方々は六文銭がなかったと見えて、娑婆世界に戻られていました。
(全員戻れたかは未確認ですが)


智積院で行われる常楽会は一般人も参加できるとのことなので、
機会があれば参加してみたいものです。


この公演に先立って8月30日に行われたプレ講座については、こちら→


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<余談>

文楽公演のときに比べると、会場は加齢臭が濃い。(ワタクシも発生元と思いますが)
ほぼ満席の入りで、僧侶の方も多く、外国の方もいらっしゃいました。
そうそう、舞妓さんもいて、とても目立ってた(驚)!

客席の最後列あたりにはスタジオ用HDカメラが3台並んでいて、
公演の様子が収録されていました。




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