横笛を訪ねて(3)~天野



(その2へ戻る)



(3)出家して高野山の麓にある天野の里に移ったが、病死した。の場合


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京都での居場所(京都・往生院)がばれたので、
時頼クンは女人禁制の高野山に移った(逃げた)。
ところが、横笛ちゃんを振り切ったはずなのに、
なぜか和歌のやり取りをしています。


    又異説には、横笛は法輪より帰りて髪をおろし、双林寺に有けるに、
    入道の許より、
        しらま弓 そるを恨と 思ふなよ まことの道に いれる我身ぞ
    と云たりければ、女返事に、
        白真弓 そるを恨と 思ひしに まことの道に 入るぞ嬉しき
    其後、横笛尼、天野に行きて、入道が袈裟衣すゝぐ共いへり。
                              (『源平盛衰記』)



えっ、横笛ちゃん、天野に行って時頼クンの袈裟衣を洗っていた!?

。。。。なんだかよく分かりません。


横笛ちゃんは高野山に入った時頼クンのあとを追って
その麓にある天野(今の和歌山県かつらぎ町天野)に移って待っていたが、
会えないまま19歳で病死した、
というのが天野の里での言い伝え。
哀れに思った里人が横笛ちゃんを手厚く葬ったのが、
 横笛の恋塚
ということのようです。


【横笛の恋塚】

    201411080061-1111.jpg

    右側の石積みが横笛ちゃんの墓石。

    左側の宝篋印塔は『横笛法尼供養塔』と刻まれていて、
    昭和56年10月、入滅800年忌で高野山・大圓院によって建てられた。


    横笛ちゃんの墓(上の写真の右側)
    201411080064-111.jpg
      里人によって花が手向けられています。



【神田[こうだ]地蔵堂】

    201411089921-21111.jpg

    天野の高野山町石道沿いにあり。
    横笛ちゃんが滝口入道を待っていた処とも伝わる。




二ッ鳥居から眺める天野の里
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≪後日談≫

 高野山・大圓院に伝わるお話:
   滝口入道が修行していた大圓院の梅の枝に、ウグイスがとまった。
   やつれて死んだ横笛がウグイスに化身して、滝口入道に会いに来たのだ。
   そしてそのウグイスは梅の木の横にある井戸に落ちて死んだ。
   滝口入道(大圓院第八世住職・阿浄律師)は横笛の菩提を弔うため、
   ウグイスの亡骸を納めた阿弥陀如来立像を彫った。
   今に伝わる大圓院の本尊・阿弥陀如来立像は、「ウグイスの弥陀」と呼ばれている。


    大圓院にあるウグイスの梅とウグイスの井戸
    201310280612-1111.jpg


    ウグイスの井戸は梅の木のうしろにある。
    201310280620-1111.jpg


    柳原白蓮が来たことがある。
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<余談1>

  いちおう全国統一防火標語(平成12年度)のポスターなのですが。。。(一恵ちゃん!)

        poster1.jpg

  横笛ちゃんは清姫にならず、ウグイスになったので時頼クンは命拾いした?

    ※そういえば、12月28日、奈良を燃やしたヤツがいたな。★平重衡




<余談2>

  『平家物語』では、滝口入道は平維盛の入水を見届けるという重要な役目を果たし、
  その後、高野山に戻ったとしています。
  それ以降、彼は『平家物語』に登場しません。
  主人の平重盛とその息子・維盛を失い、横笛も失った斎藤時頼は、
  その後どう生きたのでしょうか。
  彼の墓はどこにある? 大圓院?





横笛と滝口入道の比翼像 (京都・滝口寺)
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※横笛ちゃんシリーズ、ひとまず終わります。



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フォローありがとうございます

こんばんは!

供養塔の文字の件、ありがとうございます。
たしかに王羲之の「霊」の字に似ていますね。
萬と霊との間に別の文字があるように見えましたが、
「萬霊供養塔」という使い方が一般的のようですし、「萬霊」でしょうね。

天野はウチから遠かったですけど、行って本当によかったです。
思い出すだけでも、気分がほっこりします。


タイムリーにも

こんばんは!

かつらぎ町の「雨引山」のことをブログアップして、こちらにお邪魔したら天野ではありませんか。
雨引山から天野へハイキングすることにしました(笑)。時期は未定(ついでの時)ですが。

それから、しつこくてすいません、例の供養塔の文字ですが、「真行草大字典」というのが手元にあって、王羲之の「霊」に似ていると思っていたのですが、ネットでも見られました。ちょっとご覧いただけません?

http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902558/16
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