井上靖記念室



井上靖記念室を2階に持つ高月町立図書館(現在は長浜市立高月図書館)は、
平成5年(1993)4月29日に開館しました。
司馬遼太郎による開館記念講演の会場には、多くの人が集まったそうです。




  井上靖記念室開設にあたって

     故井上靖先生は、随筆「美しきものとの出会い」、小説「星と祭」等の作品に、
    滋賀県湖北地方の十一面観音像を描いておられます。
     ことに高月・渡岸寺の国宝十一面観音像には敬慕の念深く、
    幾度となく訪ねておられます。
    以来、先生には深いご縁をいただき、ふるさと創生事業をはじめ、
    まちづくりにご指導とご協力をいただいてまいりました。
     町の代名詞ともいうべき「観音の里」という言葉も
    先生の作品から生まれたと思われ、町のイメージも高めていただいております。
     こうした先生のご功績を広く顕彰するために、
    町立図書館内にこの「井上靖記念室」を開設し、
    先生と町とのこれまでのご縁を中心に、
    先生の文学活動の一端を紹介し、後世に伝えていきたいと願っています。


  (井上靖記念室の資料から。当時の館長さんのご挨拶でしょうか)






開館日であっても、ふだんは記念室は施錠されているらしく、
見学希望者はスタッフに声をかけて開錠してもらいます。

湖北の人々との交流が示された資料や写真、
鞄、背広、タバコなどの愛用品、再現された書斎などが展示されています。



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ブランデー好きだったそうで。
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収蔵庫落慶法要での記念講演 (昭和47年11月4日、渡岸寺観音堂にて)
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図書館の前には、井上靖の協力によりつくられた公園「出会いの森」があります。
そこには、彫刻家・舟越保武の彫像「茉莉花[まつりか]」が立っています。
舟越は井上作品の装画を担当したことがあり、その縁もあったようです。
ちなみに、彫刻家の舟越桂は舟越保武の次男。

「茉莉花」の脇に立っている文学碑には、以下のように刻まれています。


   聖 韻

    有名な渡岸寺の十一面観音像を初めとして、
    沢山の衆生済渡の仏さまたちが、静かに立たれたり、
    お坐りになったりしている古い町。
    琵琶湖を隔てて、遠く比良山系を望める美しい町、高月。

    平成の新しい時代を迎えてからのある日、
    そこの明るい広場、町の聖地に、一つの事件が起った。
    この町を象徴する花とされている茉莉花の精が、どこからともなく現われ、
    美しい裸婦像となって、広場のまん中に、すっくりと立たれた。
    平成の、新しい観音像と申し上げたい、凛とした、近代的なお姿である。

    世界的規模を持つ瞑想の町、信仰の聖地、湖畔散策の町としての、
    新しい時代の、新しい高月は、この日、このようにして生まれた。

                               井上靖

   (井上靖記念室の資料から)






“平成の新しい観音像”と書かれた「茉莉花」。
よく見ると、頭部と左腕を除いて、
渡岸寺観音堂(向源寺)の十一面観音さんの姿に似ています。
特に後ろ姿は、十一面観音さんをモデルにしたのではないかと思うほど似ています。
実は井上靖はそれを承知していて、我々が気づくか試したのではないでしょうか。(笑)



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        長浜市高月図書館の情報→







JR高月駅前にあるモニュメントには、
渡岸寺観音堂の境内にある文学碑の文字が書かれています。

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『慈眼 秋風 湖北之寺    井上靖』

  文学碑では「湖北の寺」になっていますが。







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かぎろひさん、こんばんは!

コメントありがとうございます。

あのあたりは、歩きか、サイクリングがよいと思います。
観光地にありがちなざわついた感じがなく、落ち着いてほっとできるところだと思います。

「発見」とは、ちと大げさですが。(笑)

今回の観音さんめぐりの記事、続きをアップしようとしていますが、
いろいろあって滞っています。
ぼちぼちアップしますので、時間に余裕ができたら覗きにきてください。

湖北の旅

おはようございます。

一段落したら、一日のんびりどこかへ出かけよう、とずっと思っておりまして、その第一候補が湖北だったので、とてもタイムリーにうれしく拝見しました。
奈良は大好きなのに、どこか仕事を引きずる・・(笑)

まず高月へ降りたち、それから北へ向かって歩きましょう。と思っていたら、どうやら高月だけで1日を費やしてしまいそうですね。

「茉莉花」像は渡岸寺の十一面さんをモデルにした、のは大いにあり得そうですね。それを書かないのもこころにくいし、なむさんの発見もすごい、と思いました。
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Author:なむさいじょう



阪神エリア在住のおっさん。
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