重源ゆかりの山口 (8) ~ 阿弥陀寺



【阿弥陀寺】 (防府市牟礼上坂本)


防府市にある東大寺別院・阿弥陀寺です。
大平山山麓の斜面にあります。
重源さんが東大寺再興のため設けた別所の一つ、周防別所がこの阿弥陀寺です。

門前の巨石には、東大寺・清水公照師の書で 「東大寺別院  周防 阿弥陀寺」 と彫られています。


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説明板から抜粋:

    東大寺別院 周防 阿弥陀寺
         周防国租をもって奈良東大寺再建の命を受け、佐波川上流地方の巨材を伐採し、
         その使命を果たした造東大寺勧進兼周防国司職の俊乗房重源上人が
         後白河法皇の現世安穏祈願のため建立したもので、
         文治三年(1187) 創建、その後、文明年間まで約300年の間、
         住職はいずれも勅命をもって拝任、周防国務管理を兼ねていたという
         県下切っての由緒ある名刹である。


往時は広大な境内で多くの僧坊がありましたが、のちに寺勢は衰えて本坊だけが残ったそうです。
それでも3,300坪ほどもある緑豊かな境内で、本堂ほか諸堂、湯屋、石風呂、宝物庫などが点在しています。



仁王門
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仁王門から石段を上がり、中門をくぐると本堂です。
ハンミョウ (別名:みちおしえ) に導かれて本堂へ。

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本堂
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本尊は阿弥陀さん。



北河原公典師の書
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霊石
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重源さんがよく腰かけていたそうです。
(お尻が痛そう)





湯屋
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昭和時代に造られた石風呂は毎月第一日曜日に焚かれます。
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(重源さんが造らせたという石風呂はこれとは別に近くにあり)





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≪宝物庫で寺宝拝見≫


重源上人坐像 (国重要文化財)
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生前の寿像ではないかと言われています。




重源さんが願主となって建久八年 (1197) に鋳造された鉄宝塔と水晶三角五輪塔 (ともに国宝)
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高さ3mもあります。



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(いずれも図録から拝借)



このほか、さまざまな仏像や、仁王門の修理のため一時的に避難されている金剛力士像 (国重要文化財) も間近で拝見。
なんと、後白河法皇坐像もあります。
「東大寺」 と陽刻された鉄鎚印 [てつついいん] については、本シリーズの第4回で紹介しました。→
湯屋で使われていた鎌倉時代製の鉄大湯釜と鉄湯舟も展示。 鉄宝塔の銘文にも記載されているものですね。


<余談1>
      東大寺の大湯屋 (非公開) にある鉄湯舟には、

          造東大寺大勧進 大和尚南無阿弥陀佛
          建久八年・・・

      などの刻銘があるそうです。 (この 「南無阿弥陀佛」 は重源さんのこと)
      鉄宝塔が鋳造された年と同じなので、同時期に造られた可能性がありますね。



<閑話休題1>

宝物庫の片隅に、二月堂修二会 (お水取り) の練行衆が身に着ける紙衣 [かみこ] と差懸 [さしかけ] がありました。
紙衣は煤けていて、少し破れています。
今回、宝物庫を案内してくださったのは、平成17年(2005) に練行衆として参篭された僧侶の方で、
そのときに使ったものだそうです。
これも拝見できて、眼福でございました。

宝物庫には見ごたえのある寺宝が目白押しでした。

    ※ 宝物庫の寺宝を拝見するには事前予約が必要です。(有料)




<余談2>
      阿弥陀寺発行の解説書に、歴代の住職の名前が載っていました。
      初代はもちろん開基の重源さん。
      二代目は、荘厳房法印行勇。東大寺大勧進職にもなった退耕行勇ですね。
      そして十四代目に、良観上人忍性、とありますよ。
      奈良国立博物館で展覧会やっている良観房忍性さんのことですよね。 → 特別展 「忍性」
      忍性さんも東大寺大勧進職になったので、周防の阿弥陀寺へ来られたのか?



<閑話休題2>

以上で、今回の 「重源ゆかりの山口」 シリーズ、とりあえず終わりです。
目を通していただいて、ありがとうございました。
実際に現地へ行って見ると、新たな発見や出会いがあって楽しかったです。
山口には、ほかにも重源さんゆかりの場所があります。
今回行けなかった場所へは、機会があれば訪問したいと思います。



阿弥陀寺




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